仙堂智隆のおいしい株主優待

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「歴史から学ぶインフレ対策ととるべき投資行動」 要旨 証券会社支店セミナー

 最近、対面の講演会がちょこちょこ開催されるようになってきました。

 今回案内してもらったのは、支店のセミナーです。講師は支店長でした。

 タイトルは「歴史から学ぶインフレ対策ととるべき投資行動」
 インフレと円安の時代にどうするかという、まさにこれからどう考えて投資するか、という現状に即したテーマです。


<継続的なインフレ>
 近代日本は30年ごとに破壊と創世をくりかえしている。

 明治維新、西洋開化、二度の世界大戦、高度経済成長、バブル崩壊など、30年サイクルで大きな出来事が繰り返されている。

 過去の統計を見ると、消費者の物価指数とインフレ率が、奇妙なぐらい同じようなカーブを描いている。

 これから、アメリカの利下げがあり、日本はしばらく利上げできないので、ドル円が長期的には、160円~170円ぐらいになるだろう。

 日本はエネルギーや食料自給率がとても低いので、円安もインフレ要因の一つ。


新興国
 新興国の購買力が拡大する。
 人口の多い新興国が牽引して、世界経済が成長する。


<インフレは悪いことなのか>
 1990年代、スマホSONYappleがほぼ同時に開発していた。両者とも時期尚早と発売を見合わせた。

 ここまでは同じだが、そのあとが、デフレ下の日本とインフレ下のappleでは対応が違った。

 SONYは、時代がくるまで開発は止めていた。開発を始めるときも、NTTなどのキャリア会社のアドバイスで進めていった。

 それに対して、appleは、時代がくるまでバージョンアップ続け、開発の手をゆるめなかった。開発の方向は、ユーザー志向と内製化だった。

 いざスマホ発売の時期が来たとき、appleはキャリア会社の提案はとっくに取り込んであり、それ以上のものを出すことができた。

 デフレ下では、いらないものを削って安価なものを求めるが、インフレ下では、いるものもいらないものもひっくるめて、どんどん新機軸を取り入れていく。


<間接金融と直接金融>
 間接金融は、銀行。預金などで集めた金を銀行が投資する。
 直接金融は、証券。個人が株、債権、投資信託など、投資先を選ぶ。

 日本だけが間接金融と直接金融を厳格に分離している。
 経済の低迷期に、政府は銀行のみを支援していた。

 

<インフレが続く理由>

 日本の債務比率(借金すなわち国債)が先進国の中で断トツに高い。これまで、政府は借金を返したことがない。国債が満期になっても同額の国債を発行している。
 どうするかというと、インフレで債務比率を下げる。これをインフレタックスという。
 イギリスで採用したインフレタックス。(高インフレと低金利を維持して政府の債務負担を実質的に減らす措置)イギリスはインフレタックスで債務比率を下げた。

 

 第一次大戦後のドイツのインフレは何兆倍という信じられない状況だった。
 そのなかで、物を生産する人、売買する人は価格を変えられるのでそれほど影響はなかったが、固定給の労働者が大変なことになった。

 

・日本の債務比率(国債のGDP比)で 諸外国に比べて突出して悪い。ギリシャ並。
・国家は債務返済しない。
・円安でインフレが加速。
・インフレタックス。
・債務比率が下がる。同時に現金・預金の価値も減る。


<米国大統領選挙(もしトラ)>
 アメリカ大統領選は、トランプさんが有利っぽい。
 もしトランプさんが大統領になったら、短期的に米国株バブルがくるだろう。

 現状、ウクライナでロシアの経済制裁で締め付けられているが、原油は中国とインドが買っているし、武器に必要な半導体は中国、弾薬は北朝鮮から入ってきている。

 大統領になったら、即ロシアに飛び、ロシアウクライナ戦争をやめさせるだろう。プーチンもそれを待っている。おそらく現状ロシア支配地域をそのままロシア領にするだろう。
 元々トランプさんは不動産王なので金利が嫌い。だから金利を下げ、インフレが加速する。
 関税を上げる。
 円安で安い日本製品は歓迎。ただし、アメリカに工場を造るのが必須。

 未曾有のアメリカ株バブルがくるかも。
 日本株も恩恵を受ける?


<日本国家が本気を出してきた>

 東証再編。一部、二部がプライム、スタンダード、グロースに変更になった。それほど内容は変わっていないが、外国人からとったらわかりやすくなった。

 PBR改革。昨年から東証がPBR改善を強く求めてきた。
 PBRが1を割っている企業にPBR改善策の開示を要請している。
 PBRを上げるためにはROEを上げる。
 ROE=利益/自己資本(現金・資産)×100。
 ROEを上げるためには現金を吐き出す。方法は給料を上げる、配当を増やす。自社株買いをする。
 理論的に、数年で日経平均が6万円に到達するだろう。

 GPIFの投資。日本株、日本債券、外国株、外国債券が4分の1ずつという、なにも考えてない配分で、2001年 80兆円が、2024年 224兆円になった。年率 3.99%。


<海外の投資ファンドの状況> 知り合いがNYにいるので聞いた話。
 投資の神様、バフェットが日本株に投資。為替ヘッジしている。
 日本株が上がってきた。
 アメリカの投資会社のファンドマネージャーは、機会損失もペナルティーになる。これまで日本株担当は一番出来の悪い人が担当していたが、最近は優秀な人を回すようになってきた。
 日本株が上がったらファンドが売るのではないかというおそれがあるが、さらに上がるかもしれないという機会損失が怖いので、なかなか売れない。

 アベノミクス、黒田バズーカなどで金をジャブジャブ市場に投入している。
 まず大企業が潤い、それが中小企業、個人に流れることを期待していたが、いまだ大企業だけが潤っている。
 ニュースで、経済がよくなって株高だけど庶民はその実感がない、というニュースが何度も流れているが、それはあたりまえ。

 海外投資家たちはその潤っている大企業の甘い汁をすくいとっている。(株高&配当増)


<結論>
 金利固定と積立。

・米国の高金利 → 債券・保険
・世界のイノベーション新興国
・超出遅れ日本株
・投資一任取引 GPIFと同じような比率のETF・投信・ラップがある。
・新NISAで積み立て投資+贈与

 

 さすが優秀な証券マンだけあって、顧客に夢を見させるのがとても上手だ。こういう話はとっても好き。
 1時間半の講演があっというまにすぎました。


 終了後、担当者にお礼かたがた、投資先を聞いてみました。
 NISAは eMaxis slimのオルカンとSP500。成長枠はインド。401kは 新興国にしているそうです。